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髪毛が急に抜ける病気

■ 髪の毛が抜けていくのは病気かも

髪が薄くなったり抜けていく。年齢のせいという場合は多いのですが、ストレスや生活環境、薬の影響だけでなく病気の影響を受けることもあり、複雑な要因が絡むこともあります。身に覚えが無いのに髪が抜けていくようならば、遺伝という可能性もあります。 ヘアスタイルが変わればがらりと違う雰囲気になるのは周知の事実。髪はその人の印象をささえています。 頭髪が激減すれば、実年令よりも高齢に見られやすくなる。
大切な髪が抜けてしまう原因について、お話します。


【スカルプエッセンス】

■ 髪の毛の特性

これから抜毛のお話をしていくのですが、その前にまず、髪の毛そのものについて説明します。

・硬毛と軟毛
人の頭髪の本数は、およそ10万本であるいわれます。健康な人であっても、そのうちの50〜100本は、毎日、自然に抜けていってます。髪は硬毛と軟毛に分けられており、区分けの基準となるのは太さです。軟毛は、直径が30μm(マイクロメートル)よりも細く、メラニン色素の少ない薄い色をしてます。赤ちゃんの毛はほとんどが軟毛ですが、成長につれて、太く艶やかでコシのある硬毛へと変化していきます。

・ヘアサイクル
髪の毛には寿命があります。そして、生える・抜ける・新しく生えるを幾度も繰り返してます。これを「ヘアサイクル」と呼んでおり、休止期、成長期、退行期を繰り返しつつ寿命を迎えた髪は抜けていきます。休止期の時間は、3〜4ヶ月程度、最も長い成長期が2〜6年間。そして退行期が2週間程度でさらりと終わります。

髪の毛が抜ける時期は「休止期」ですが、事実上の衰退は「退行期」段階ですでに始まってます。髪が抜け落ちるもっと前から、根っこの部分では寿命を終えているのです。抜け毛と季節の関係に諸説ありますが、初夏から秋にかけて増えるという報告が多いですね。秋は植物の葉が落ちる季節。頭が寂しくなるのも、自然なことのようです。

性ホルモンと頭髪

性ホルモンには、「男性ホルモン」と「女性ホルモン」とがあります。分泌量にこそ差はありますが、人間は男女ともに、男性ホルモン・女性ホルモンの両方を、体内に有しています。髪の毛は、男性ホルモンが多いと毛の量が多くなって、女性ホルモンが多いと毛の量は少なくなくなる、というのが一般的です。

ただし、男性ホルモンで毛深くなるのは体毛に関することだけであり、頭髪は女性ホルモンの影響下にあります。このあたりはややこしいですね。女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」には、髪の毛を成長を促して成長期間を持続させる効果があります。

このエストロゲンですが、影響しているのは頭髪全体ではありません。守備範囲は、頭頂部から耳くらいまでであり、それより下は甲状腺ホルモンの管轄です。縦割り役所のようで面倒ですね。エストロゲン分泌のピークは20〜30代。50代になると急激に減少していきます。中年の男性に、頭頂部を中心にしたAGAなどのハゲが増えるのは、エストロゲンの低下が原因というのが一般的法則です。

出産女性のホルモンバランス
女性ホルモンは2つあり、違う役割を持ってます。
「プロゲストロン」は妊娠を維持で「エストロゲン」は女性らしさです。 妊娠中は「プロゲストロン」が優位になりますが、「エストロゲン」も最大限分泌されてます。 エストロゲンは髪毛のホルモンでもあるので、妊娠中は髪の毛が行き届いているのです。

ところが出産と同時に、どちらのホルモンも妊娠前の分泌量へ戻ります。 これがあまりに急激であるため、それまでフサフサだった髪の毛が、 大量に抜けていってしまうといわれてます。

抜け毛の症状

髪の毛が無くなったり抜けていく原因は、ストレスや年令だけではありません。抜毛症状を起こす病気には、次のようなものがあります。

 頭部白癬
 円形脱毛症
 壮年性脱毛症
 先天性無毛症
 瘢痕性無毛症
 脂腺母斑
 薬物による脱毛症
 抜け毛症

頭部白癬
真菌の一種である「白癬菌(はくせんきん)」が原因で起こる皮膚病。ピンク色でウロコ状の痒みを伴った、頭にできる皮疹です。この皮疹ができると、その部分の毛がまだらに抜け落ちます。

円形脱毛症
頭の毛が丸く円をかいたように抜け落ちていく抜毛です。いわゆるAGAですね。痛みや痒みなどはありません。

壮年性脱毛症
おでこから頭のてっぺんにかけての毛が、だんだんと抜け落ちていきます。抜ける髪の毛の量は、年齢とともに増えていきます。よく言われる「加齢によるハゲ」のことです。

先天性無毛症
生まれつき毛がまったく生えないか、髪があっても量の少ない病気です。生まれた時点では普通に頭の毛があるのに、生後1〜2年で抜け落ちて生えてこないケースもあります。

瘢痕性無毛症
「瘢痕」とは、火傷や外傷・潰瘍などの治ったあとにできる傷あとのこと。瘢痕性無毛症は、皮膚が瘢痕化して、髪が生えてこなくなる脱毛症のことです。怪我などをした事をきっかけにして、それまで毛が生えていた場所に、毛が生えなくなってしまいます。

脂腺母斑
生まれつき頭部から顔面にかけてできるあざの一種です。少し盛り上がったように黄色っぽくなってます。そのアザの部分にだけ毛が生えてこないものです。

薬物による脱毛症
抗癌剤などの副作用などによる脱毛症です。薬物の影響によって毛が抜け落ちてしまいます。治療が終われば生えてくることが多いです。

抜毛症
正常な毛を引き抜いてしまう癖により、脱毛斑が出現する精神疾患です。抜毛癖(ばつもうへき)とも呼ばれますが、頭髪を抜くケースが多いことから禿頭病(とくとうびょう)とも呼ばれます。

抜け毛症
紛らわしいのですが上記の「抜毛症」とは異なって、異常脱毛の事を指してます。健康な髪はヘアサイクルを経て自然脱毛します。抜け毛症は、この毛周期が狂ってしまい退化期になる前に抜け毛になります。

下垂体機能低下症
多くのホルモンの分泌を行っているのが内分泌器官。前葉と後葉とに分けられますが、前葉でつくられる種々のホルモンの分泌が障害されて起こる病気が「下垂体機能低下症」です。主に、身長が伸びない・筋肉や骨量の低下・月経がこないなどの症状が現れ、脱毛も引き起こします。

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌量が不十分になる病気です。全身がエネルギーを利用できなくなる病気なので、症状は多岐で複雑です。顔が腫れぼったくなる、皮膚が乾燥して寒さに敏感、体重の増加などのほか、脱毛も起こります。

栄養不足
体の栄養が不足によっておこる脱毛です。無理なダイエット、胃腸障害などによる栄養障害、鉄欠乏性貧血などによって髪の材料が減少し脱毛が進んでしまいます。毛髪が細くなる、なかなか伸びない、抜け毛が目立つなどの髪の毛の障害が目立ってきます。

膠原病
「自己免疫疾患」という、自身の免疫が臓器や組織を壊してしまう症状があります。膠原病も色々ある自己免疫疾患の一つ。すべての膠原病でおこるわけではありませんが、口内炎や脱毛もおこります。

■ 病気で抜けても生えてくる?

抜毛に悩んでいる人にとって、髪毛はカンタンに抜けていくイメージがあるでしょう。でも本来の髪の毛はなかなかしぶとくて、おいそれと抜けるものではありません。

抗がん剤治療において、髪の毛が抜けることはよく知られてます。脱毛の原因ははっきりとは解明されてはいないのですが、抜けるものは抜けるのです。しかし、治療が終われば、やがて髪の毛は生えてきます。「髪の毛は病気やストレスに非常に弱い」のですが、同時に、再生する能力もそんなに弱くないことの証明にもなってます。

たしかに病気やストレスに弱く抜けてしまうのだけど、状況が許せば再び生えてくるしぶとさを持ってます。それこそが、髪の毛の大きな特性といえます。

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