ろれつが回らない:頭/顔の異常や症状などから病気を検索
舌がもつれる、言葉を話せばつっかえる。 このような「ろれつが回らない」状態のことは、広く 言語障害と呼ばれます。 お酒を飲んでいる席ならば誰にもありそうな、ありふれた症状といえますね。 ですが「ろれつが回らない」原因はアルコール・薬物だけではありません。 これといって思い当たるところがないのに、ろれつが回らないとすれば、 異常を報せる、身体からの信号かもしれません。
最近までは「問題なく話すことが出来てました」という人が、 ある日、突然ろれつが回らなくなったとすれば、重い病気にかかってしまったと、誰もが疑います。 話しかたが変な感じになるのですから、家族が不安になるのは当然です。 ではどうして「ろれつが回らなくなる」のでしょうか。
ろれつが回らなくなるというのは、口元の運動機能の低下や、何か知らの障害によって、 言葉を発する機構が正常に機能しなくなっている可能性が考えられます。 また、筋肉を動かすための神経に異常が生じた場合にも、口元がうまく動かなくなります。 筋肉が正常であっても、操作する神経が正常でなければ、筋肉を動かすこと自体が難しくなるのです。
筋肉も神経も正常なのに、口が回らなくなることがあります。
脳の方に障害があるような場合におこります。
筋肉を動かすとき指令を出しているのは脳。
その脳の中でも言語を司っているのは「左大脳」でだと言われています。
ろれつが回らなくなるのは、脳の左側に何かしらの異常がおこっている可能性が高いのです。
まとめると、「ろれつがまわらない」症状が現れるときは、 「左大脳」「神経」「筋肉」 というルートのどれかに異常がある ということです。でも実際に多いのは、脳の異常です。 なんらかの原因で脳がうまく機能しなくなって、口が回らなくなるのです。
言葉が出ない原因は「左大脳」に異常があるといいましたが、 障害の位置によって、理解とおしゃべりに違いがおこっています。
左脳のうち、比較的、前の方の部分に起きた障害では、聞いて理解することはよくできるのに、 話すことがうまくできません。話すことができたとしても、ぎこちない話し方になります。 これには「運動性失語(ブローカ失語)」などがあります。
左脳のうち、比較的後ろの部分に障害が起きたときには、発する言葉はなめらかです。
その反面、言い間違いも多く、他人が聞いても理解することが困難になる「失語症」となります。
「感覚性失語(ウェルニッケ失語)」などがこのタイプです。
ほかにも、「全失語」といって、「聞く・話す・読む・書く」
言語機能に重度の障害が起きるケースもあります
ろれつが回らなくなる病気として、一般に考えられるのは 「脳卒中」など。 突発的に起こる障害なので、ある日突然、ろれつが回らなくなったのなら、 こうした脳の疾患を疑わなければなりません。 また、脳梗塞や脳出血も、言語障害の病気としてよく知られています。 他にはパーキンソン病や舌癌、それに、脳腫瘍の症状なども考えられます。
「脳卒中」は、脳の神経細胞に障害がおこる病気です。
「脳の血管が破れる」か「脳の血管が詰まる」ことで、脳に血液が届かなくなり、
脳の神経細胞が障害を受けるのです。なるべく早くに治療を開始する必要があります。
「脳卒中」を起こしてからの治療開始が、3時間を超えると後遺症がひどくなりますし、
命にかかわってきます。
「脳卒中」の直接の原因は4つに分類されています。
1 脳梗塞(脳の血管が詰まる)
2 脳出血(血管が破れる)
3 くも膜下出血(動脈瘤が破れる)
4 一過性脳虚血発作(TIA)(脳梗塞の症状が短時間で消失する)
ストレスが原因となるせいで、言葉のろれつが回らなくなることがあります。 仕事や運動のしすぎで「過労」になり、そのストレスが脳を圧迫してうまくしゃべれなくなるのです。 「過労」の原因といえば仕事ですが、かならずしも仕事や運動ばかりでもありません。
貧血、ストレス性障害、自律神経失調などなど、日常的に起こりうるさまざまな症状があります。 それを全部ひっくるめた総称を「過労」と呼んでいるわけです。 原因があって起こるものなので、ぐっと我慢していれば、いつの間にか治ったりするものではありません。
症状のひとつに「貧血」があります。きちんと食べているつもりでも、 必要な栄養が足りていないこともあります。 解決するには、仕事を含めた生活スタイルそのものを見直す必要があります。
病気が原因であれば、まずはその病気を治すのが先決です。 症状がまだ軽い状態であれば、本人や周囲が気遣うことでも、快方に向かいます。 体の病気であれば治療が明確なのですが、ストレスなどの場合、薬などよりも 周囲と本人の精神的なゆとりが欠かせません。
舌のもつれは、 急いだり緊張したりするとよけいにひどくなります。 落ち着いてゆっくり話すよう心がけることが大切です。 周囲の人は、時間をかけてゆっくり話を聞いてあげてください。 何度も聞き返したりするのは止めて、「こういうことを言おうとしてるのかな」と、 推理をはたらかせて聴きとる努力が、大事となります。
また、言葉だけに頼らない方法もあります。コミュニケーションの手段は話し言葉だけではないですよね。 紙やホワイトボードに文字絵を描いて伝えたり、ジェスチャーなどができるはずです。 そうした代替手段を工夫することも、回復に役立ちます。