胸が苦しい症状:呼吸と心臓の異常や症状
人は、年齢を重ねていくにつれ、
動悸や息切れを起こしやすくなります。
胸が苦しくなる症状があると、まず疑われるのが風邪や喘息です。
咳がひどいなら、気管支炎など喉や呼吸に関する病気も思いつきます。
ほかにも、胃や食道の炎症、貧血や過呼吸、
うつ病やパニック障害などでも、胸が苦しくなることはあります。
呼吸の病気とはいっさい関係なさそうですが、
胸が苦しくなる原因は、ぎょっとするくらい種類があるのです。
胸が痛いことを「胸痛」と呼んでます。痛みを感じる胸に原因があると思うのは当然で、 まず思い浮かぶのは肺や心臓の病気です。 ところが、胸のあたりに問題がなくても痛むことがあります。 ほかに可能性のある病気はイロイロあるのです。 呼吸器・血管・消化器・胸膜疾患。それぞれ、ここに挙げておきますね。
● 心臓の病気
・狭心症、心筋梗塞
・急性心筋炎
・僧帽弁逸脱症
・大動脈弁疾患
・不整脈
・心臓神経症
・急性心不全 など
● 呼吸器の病気
・肺炎
・胸膜炎、膿胸
・縦隔気腫
・肺がん
・肺血栓塞栓症
・気胸 など
● 血管の病気
・肺血栓塞栓症、肺梗塞症
・大動脈瘤破裂
・解離性大動脈瘤 など
● 消化器の病気
・食道破裂
・逆流性食道炎
・急性膵炎
・胆のう炎
・胆石症
・十二指腸潰瘍
・胃潰瘍
・食道痙攣 など
● 胸膜疾患
・胸膜炎
・胸膜腫瘍(悪性胸膜中皮腫) など
このほか、咳や風邪、喘息、過呼吸、気管支炎といった呼吸の病気や、
胃や食道の炎症といった軽度なもの、貧血やうつ病、それにパニック障害などがあります。
肋間神経痛なども、胸にきしむような痛みが走ります。
胸の病気といっても、かなりの多岐に広がってしまったことに驚きを隠せません。
すべの胸の病気をとり上げるのは難しいようです。
どうやら、統計的に一番気にかかるものは心臓に関する病気のようです。
また上記の病気の多くでは他ページで取り上げてる病気もあります。
ここでは、心臓に関する病気を抜粋することにします。
狭心症と心筋梗塞。どちらも心臓の症状ですが、進行状態で、病状が異なるものです。
狭心症
冠動脈の血管が狭くなって、心臓へ送る血液の量が少なくなってる状態が狭心症です。
狭心症の症状は、たまに胸が痛くなるくらいで、比較的早く痛みはおさまります。
心筋梗塞
狭心症が進行してしまって、冠動脈の血管が完全に閉塞した状態が「心筋梗塞」です。
心臓への血液供給が大幅に減少したり、途絶えたりした結果、心筋細胞が壊死してしまう病気です。
詰まった血管の先には血が流れません。心筋が壊死して、心臓のその部分が活動を停止してしまってます。
死んでしまった心筋は、二度と元には戻りません。
胸が苦しい症状に加え、息切れに襲われたこと があるなら、「心不全」の危険性も潜んでいます。 どの病気も、胸が締め付けられて苦しいものですが、緊急を要する病気のひとつです。
心臓が、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態が心不全。血液がいかなくなったり不足するので、 肺や下肢、その他全身の組織に水分がたまる浮腫や、呼吸困難をきたします。
胸が苦しい原因として考えられるのは、不整脈や心臓への過剰な負担などです。過度な運動や疲労、 長期に渡る睡眠不足や大きなストレスなどで心臓に負担をかけてしまったり、 もともと不整脈があったり、突発的に不整脈を起こしたりすることが引き金となって、 胸が苦しくなってしまうのです。
肺に原因疾患があったり、甲状腺の機能に問題がある場合などにもこの症状が現れやすくなります。 何より大きな原因としては、狭心症や心筋梗塞が挙げられます。 つまりは、冠動脈の血管が狭くなって狭心症になり、冠動脈の血管が閉鎖して心筋梗塞になる。 それが悪化した先に「心不全」が待っているわけです。
冠動脈が狭くなる
↓
狭心症
↓
心筋梗塞
↓
心不全
心不全は非常に恐ろしい症状です。しかし 現在では医療も進歩しているので病状の悪化を防ぐことが可能です。薬物治療が基本ですが、 それだけではなく、ペースメーカーなどによる治療でも改善することが出来るようになっています。
最後になりますが、胸が苦しい場合、 基本的には血液不足が原因です。 思い当たる病気はないのに、歩くだけで息が切れたり、胸がズキンと痛む。 こうした症状は、血液を体に十分に送ることができてないことが理由です。
もっといえば「酸素不足」です。酸素がいきわたらないので、 もっと酸素を取り込もうとして息切れを起こし、十分な血液を全身へ回そうと心臓が必要以上に働きます。 結果として、胸が痛んでしまうんです。よくあるのは貧血です。 栄養不足から貧血を起こしていることが多いのですが、 知らず知らず胃腸で出血しているというレアなケースもあります。
昨日まで元気だった人が前ぶれも無く風邪をひく。これはよくあることですが、単なる風邪だと思い込み、数日が経過したところで突然、心不全症状に陥ることがあります。最悪のケースでは死亡するといったことも。そうした突然死の原因の一つに「急性心筋炎」があります。
急性心筋炎とは、心臓を動かしている心筋にウイルスが感染し、炎症を起こす病気です。よくある症状は、風邪的な症状、心不全、不整脈、ショック症状です。このうち、風邪っぽい症状で始まるタイプは発見が難しく対処が遅れることもあります。心筋炎の中には、急激な病状変化を示すものがあることから「劇症型心筋炎」とも呼ばれています。
ここでもう一つ「急性心膜炎」という病気があります。心膜炎は、心膜という心臓を包んでいる幕に炎症が起こってしまう病気。心膜は二枚あるのですが、その間には少量の心膜液があります。心膜液は心臓の機械的な動きを助けたり、炎症を防ぐといった機能をもっています。ところが心膜炎になると、胸に痛みが起こり、心膜液が増加して心臓の動きに障害を与えます。
急性心膜炎と心筋炎が合併することもあります。 急性心筋炎・心膜炎。ともに原因となるのは風邪などの病因ウイルスと同じことが多いのです。最初は喉の痛み、咳、発熱、筋肉痛、全身倦怠感、胃のむかつきなどがみられます。急性心筋炎の症状はさまざまです。まったくの無症状のものや、炎症症状、心不全症状を伴うものまでさまざま。
いっぽうの劇症型心筋炎の場合は、顕著です。かぜ症状から一転して手足が冷たくなったり、とんでもない体のだるさに襲われたり、不整脈が現れたりします。極端なケースでは、失神や呼吸困難に陥り、急性心不全病状へと変化します。
初期の症状は風邪に似ていることがあるので、風邪だと侮らないようにしてください。 「風邪は万病の元:とはよく言ったものです。